本日本をご紹介いただくのは、
いよいよ明日に迫った10月8日からの企画展に、本を読みながら片手でつまめちゃう...
そんなスコーンを届けてくれるtoheの柴田さん。
今までの「スコーン」の概念を覆されるような
独特の食感、そして美味しさ。
今回こちらのスコーンを御目当てにお店に訪れる方も多いはず。
そんな柴田さんは、意外にも
「型にはまったことしかできない」性格なんだそう。
あんなに美味しく、誰にも真似できないような独自のものを作られている方が?!
とびっくりしたのですが、それを助けるヒントになったのが今日ご紹介いただく1冊。
そっとカバンから出されたその本は、
大事に何度も読み込んだのがはっきり見て取れるくらい
四隅が丸くなっていたのでした。
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「思考の整理学」 外山滋比古 著
「グライダーと飛行機は遠くから見ると似ている。
空を飛ぶのも同じで、グライダーが音もなく
優雅に滑空しているさまは、飛行機よりもむしろ美しいくらいだ。
ただ悲しいかな、自分で飛ぶことができない。」
人間には2通り、
グライダー能力と飛行機能力というものがあるらしいのです。
・グライダー能力
エンジンは持っておらず、誰かに飛ばしてもらう。いわゆる他力。
これは受動的に知識を得て動く人の例え。
・飛行機能力
自分にエンジンを搭載し、自由に操縦して飛ぶ力。
自分でものごとを発明、発見する力のある人の例え。
数年前に、この仕事を始めたばかりの頃にちょうど手にした本です。
物作りには技術や知識はもちろんですが、新しく生み出す力、
想像力や発想力がとても必要で
それが不得意だった私はレシピの考案などにひどく苦悩していました。
この本には、飛行機能力を高める様々なヒントが綴られており
その当時、上手に飛べなかった私は、ずいぶんとこの本に助けられたように思います。
(今でも決して得意ではないのですが…)
自分の仕事に繋がる直接的なヒントが書いてあるわけではありませんが、頷ける部分が多いように思え
グーッと自分の中に吸収していくように一気に読み進めたのを憶えています。
--------------------------------------------------------------------------------------------------(文・tohe 画・APT # 207 )
柴田さんだけでなく、人生の様々な場面で
きっとヒントをくれるであろうこの本。
でもそれだって、自分で飛ぼうとするか、しないかで
高さだって距離だって、全く変わってくると思うのです。
お話を伺った時、
このスコーンの裏側に柴田さんの努力が詰まっているのだな、と
感じたのを覚えています。
これからも柴田さんと、toheのスコーンは
きっと変わらないところと、進化し続ける両方のバランスをうまくとりながら
高いところを飛び続けるのだと思います。